失敗の種類と受け止め方

失敗の種類と受け止め方

「失敗」とどう向き合うか

心理的安全性を醸成するうえで重要な要素のひとつが、
**「失敗をチームとしてどう捉え、どう受け止めるか」**という姿勢です。

失敗にはいくつかの種類があり、その種類によって適切な対応や受け止め方が異なります。
そのため、チーム内で失敗に対する考え方を共有し、対話することを私たちは推奨しています。

失敗には種類がある

心理的安全性の研究で知られるエイミー・C・エドモンドソン教授は、著書『チームが機能するとはどういうことか』の中で、失敗を以下の3つに分類しています。

▶防ぐことのできる失敗…十分に理解された領域でのプロセスからの逸脱。行動、スキル、あるいは支援の不足が原因で起きるのが普通である。

▶複雑な失敗…プロセスまたはシステムの故障。内在する不確実性によって起きる。そうした故障は、結果として起きる事故を防止できるタイミングで認識されるかもしれないし、認識されないかもしれない。

▶知的な失敗…失敗に終わった試み。意義ある実験の一部として起きるものであり、新しい貴重な情報やデータを提供する。

 エイミー・C・エドモンドソン著「チームが機能するとはどういうことか」より引用 

上記のように、失敗には種類があることを知ることが第一歩です。
そのうえで、チームで起きた失敗がどの種類に該当するのかを話し合い、どう対応していくのかをチームで決めておくことが大切です。

失敗を認め合えるチームへ

上図にもあるように、リーダーは以下のような関わり方を意識することが求められます。

  • 「失敗は起こりうるもの」とチームに共有・認識させる
  • 失敗を報告してくれたメンバーに感謝を伝える
  • 過去を責めず、未来に目を向ける姿勢で、共に解決策を考える

心理的安全性アンバサダー認定ワークショップでは、
こうした失敗に対する考え方やチームでの向き合い方について、対話を通して深める実践的なセッションを行っています。

このエクササイズは、もともと「ミャンマーミャンマー」という早口言葉ゲームがベースになっています。
回数を重ねるごとに早口言葉のテンポが速くなり、噛んだり詰まったりするとアウト
その“失敗”を肯定的に受け止めることを目的とした、とてもシンプルなエクササイズです。

一見簡単な内容ですが、実際に行ってみると…

  • 噛んでしまったときに「すみません」と謝ってしまう
  • 自分の失敗を明るくシェアできない
  • 他の人の失敗を受け止めるのが難しい

…といった反応が見られることがあります。

これらの背景には共通して、
**「失敗には悪いイメージがある」「失敗=してはいけないこと」**という認識があることが多く、
また、失敗には種類があるという知識がないことも影響しています。

認知を変えるための一歩

ワークショップでは、まず**「自分自身を知ること」**からスタートします。
そしてこのエクササイズを通して、失敗の捉え方(認知)を少しずつ柔軟に変えていくことにチャレンジしていきます。

また、失敗を報告してくれた相手に感謝を伝えるというコミュニケーションエクササイズも行います。
これは業務の中でも取り入れやすく、実践的な内容となっています。

参加者はワークショップを通じて、日常に活かせる行動目標を立て、
現場で実践・振り返りを重ねることを目指します。